不安を退ける最良の方法は感謝を捧げること

 あなたがなにをするにしても不安でオドオドしていたら、持てる力を出し切ることはむずかしいと思います。

 不安とは、自分を信じ切れない気持ちが作り出すネガティブな予測のこと。

だから不安に襲われたら、心を一度ひっくり返して

ポジティブな世界に変えてしまいましょう。

 私たちはうまくいかないかもしれないと思えば不安がわいてきますが、そこでチャレンジできてありがたい。うれしい!と思うことができれば、とにかくやってみよう!という勇気がわいてきます。

 不安をイケイケエネルギー変えるコツは感謝を捧げることなのです。

 あなたがここまでやってこれたこと。応援してくれる人たちがいること。ここからもっと力を伸ばしていけること…そうしたことに心から感謝をすれば、ムクムクと勇気がわいてくるはず。

 そうしていつも、勇敢なチャレンジャーとして生きていきましょう。

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子

 

 

ひとりの時間は行く道を確かめるとき

 ひとりで過ごす時間が苦手という人はいませんか?

 けれど、私達は一日のうちのどこかでひとりになって、自分自身を振り返る時間が必要なんですよ。

 この世で一番大事なことは、自分がどこにいるかということではなく、どの方角に向かっているか、ということである

 アメリカの作家、オリバー・ホームズのこの言葉にしたがって、自分がどこに向かっているかを確かめるために、寝る前にこんな質問をしてみましょう。

 今日はどんなことを我慢した?

 やればできたけど、しなかったことがある?

 明日はこうしたいな、と思うことは何?

 しばらく答えを書き留めていくと、無意識に抑えつけていた感情や、あきらめかけていた願望が浮き彫りになって、悔いを残さない道が見えてきます。

 それこそが、あなたが進みたい方角なのです。

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子

 

 

がんばるだけがいいわけじゃない

 遊んでばかりいないでもっと勉強しなさい!

 そう言われて育った人は多いのではないでしょうか。

 遊んでばかりいてはいけないという観念は、大人になると怠けてはいけないしっかりはたらかなくてはいけないという観念に替わります。

 すると困ったことに、心や体がもう限界だと感じてもなかなか休もうとしなくなります。休むことと怠けることはまるで違うのに、心身が壊れるまで足を止められなくなってしまうんですね。

あなたにもそんな傾向がありませんか?

 勤勉だけが取り柄ならアリとかわるところがない。何のためにせっせと働くかが問題だとアメリカの作家、ソローは警鐘を鳴らしました。

 もし、あなたが心と体に疲れを感じていたら、休むことをためらわないで。

足を止めてソローの言葉をかみしめてみましょう。

 休息の時間にこそ、きっとより深く生きるヒントを見つけられるから。

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子

 

 

落ち込んだときはつぶやいてみていいよ、いいよ、そんな日もある

人生はなかなか思うようにいきませんよね。自分2腹が立ったり、嫌気がさしたりと、凹む体験には本当に事欠きません。それらすべてを成長の糧に変えられたらどんなにいいでしょうか。

 そのためには、落ち込んだ自分を絶対に否定しないこと。否定しないでそんな体験をした自分をまるごと肯定するのです。

 だまされたと思って、凹んだときはこんなふうに言ってみてください。

 いいよ、いいよ、そんな日もある

 もしかすると、くすぐったいような安堵感を覚えるかもしれません。

 そうだとしたら、あなたは普段から、自分の体験や自分自身を否定することにすっかり慣れてしまっているのでしょう。

すべての日が、それぞれの贈りものを持っている

 そう語ったのは、古代ローマの詩人、マルティアリス。落ち込む日も、あなたの人生や成長に必要な一日なのです。

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子

 

 

負い目の下に隠れているのはどんな思い?

 どんな人でもいつのまにか抱えていると言われるのが負い目。

 カウンセリングしていると、全然孝行できていない親に疲れて帰ってくる夫にいっときの感情でのけ者にした友だちに負い目をかんじる…、という話がよく出てきます。そのせいで、へんに遠慮して心の距離を作ってしまっていることがとても多いんですね。

 山本五十六は、人はだれでも負い目を持っている。それを克服しようとして進歩するのだと論しました。

 負い目は、心をどんよりと重たくするだけのネガティブな感情です。だからいつまでも抱え込んではいけません。負い目という重石の下には、もっと相手にやさしくしたい。これまでの態度をあやまりたい。できるなら何かしてあげたいという温かな気持ちが潜んでいるはずです。

 その気持ちだけでも相手に伝えましょう。そうすれば、相手はきってあなたを歓迎してくれて、確実に一歩、距離を縮めることができるから。

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子

 

 

あのねは勇気をくれる魔法の言葉

今思っていることを伝えたい!てもなんて言えばいい?

 言葉が見つからず、戸惑っているうちに言いそびれてしまった…。そんな経験はありませんか?

垣根は相手が作っているのではなく、自分が作っていると、古代ギリシャの哲学者アリストテレスは指摘します。

 だったら垣根を取り払う、魔法の言葉をつかいましょう。

 それを使えば、自分の話に持っていくタイミングや、気持ちを打ち明けるきっかけを作ることは、あなたが思っているよりも簡単です。

 飛行機の機内アナウンスではアテンション・プリーズと言いますよね。

日常会話でそれに相当する言葉はあのね。それとなく話題を変えたいときや相手の気を引きたいときには、もってこいの呼びかけなのです。

 あのね、聞いてくれる?と前置きすれば、たとえつたない説明でも、きっと相手は耳を傾けてくれるでしょう。

 

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子

 

 

自分が一番大事それでいいんだよ

ほかの人のことを第一に考えるやさしい私でいられるときもあるけど、それよりずっと、自分のことばかり考える醜い私のときのほうが多い…

どうすれば、利己的な心をなくせるのだろう?

 まじめなあなたは、そんなことを思って胸を痛めているかもしれませんね。

でも、自分のことばかり考えるのは醜いことではないし、生身の私たちに自分を守ろうとするエゴがあるのは当たり前。

 エゴとは、安心して生きていきたいと願う心が生み出すものなのです。

あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい

 イエス・キリストは、そう導きました。自分よりも隣人を愛しなさいと言ったのではありません。

自分が安心したいと願うのと同じように隣人にも安心してもらいたいと同じように隣人にも安心してもらいたいと願えば、自然に隣人を愛せると言ったのです。

自分が一番大事という気持ちを尊重しつつ、自分が一番大事と思う心は、みんなもおなじと解釈して、ほかの人を思いやりましょう。

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子