命を救うことに光を当てるのではなく、心を救うことを中心に考えています。
苦しくても生まれてきてよかったと心の底から感じてもらえるようにという終末医療にたずさわる医師の言葉に、私は感銘を受けました。
不治の病に苦しんでいる人も、人生の難問に苦しんでいる人も、最後の最後まで人生に絶望しないということは本当に大切なことです。
人は苦しみから絶望するのではなく、苦しみに立ち向かえない自分に絶望するのです。そうして、人生そのものを投げ出してしまうんですね。
もしも、今あなたがいじめに遭って耐えていたら、今挫折して絶望の淵に沈んでいたら、苦しみあえいで血を流している心を真っ先に救いましょう。
状況を打開するよりも、抱えきれなくなった痛みを吐き出すことが先決です。だれかに苦悩を洗いざらい打ち明けて、受け止めてもらいましょう。
あなたのことを本気で心配してくれる人たちがまわりにいるということを、決して忘れないでくださいね。
文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子