悲しみは、雲のようなもの

睡眠はやすらぎです。でも、長い人生にはこのまま二度と目が覚めなければいいのにと思うようなやりきれない日もあるでしょう。

今あなたが悲しみのどん底にいたら、なにも考えないほうがいいと思います。

鉛色の心にはマイナスのことしか浮かばないからです。そんなときは、大空を流れていく雲を、飽きるまでボーッとながめてすごしませんか?

雲はひとときもじっとしていません。自由自在に形を変えて、出たり入ったりしながら遠くの空へ運ばれていきます。

あなたは、まるで自分の感情を早回しで見ているような気がするかもしれませんね。雲と同じように、心もどんどん移り変わっていくから。

 あなたの悲しみは今だけのものです。いつまでも続く苦しみも、憂鬱もありません。すべては流れ去っていく雲のようなものなのです。

 今夜はなにもかも忘れて、夜空に心をあずけてぐっすり眠りましょう。

 明日、目を覚ましたら、悲しみはきっと薄らいでいますよ。

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子