私は若いとき、孤独でさみしくてたまらず部屋でひとりご飯を食べようとしても涙がにじんで箸がとまってしまうようなことがありました。
そうしたある日、茶碗によそったご飯に目が釘付けになりました。しっかり食べて元気をお出しと米粒に語りかけられたような気がして。
するとお米が育っていく光景がザーッと目に浮かび、私は泣き出しました。
これまでさみしさに酔うばかりで、自分を取り囲んでいる、目に見えないつながりを感じようともしてこなかったことに気づいたのです。
あなたがどんなに孤独でも、決まるひとりぼっちで生きているわけではありません。モノを介してみんなとつながっています。あなたの命を大勢の人たちが支えているということを思い出してください。
人は別々に死んでいく宿命を背をっていますが、それはみんな同じ。だから、私たちの根っこはひとつなんですよ。
文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子