たそがれどき

たそがれどきの、海がスキ。

キラキラ光る、波がスキ。

 

あの日も、ずっと見つめていた。

 

疲れたこころにしみてくる

うすむらさきの空といっしょに。

 

夕日が、しずしずと赤くなって、

ちいさなちいさなカケラになった。

 

そして、

 

ついに見えなくなった。

 

ただそれだけなのに。

涙がこぼれた。

 

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子