手負いの鷹は、傷が癒えるまでは食べることもせず、じっとしているといいます。そのほうが早く回復することを、ちゃんと知っているのでしょう。
心に傷を負ったときは、あなたも手負いの鷹に倣ってみませんか?
じっとして、胸に渦巻くつらい感情に徹底的に浸りきってみましょう。
そのとき、心に置く単語はひとつだけにします。苦しいでも嫌いでもかなしいでも、なんてもかまわないから、それ以外の感情を持ち出さないで心をシンプルに保つことがポイントです。
そうしてひとつの感情をひたすらなめ尽くしていると、不思議なことに、ある時点で針が振り切ってゼロに戻るような現象か起こります。プシューッと音を立てて空気が抜けていくように心から痛みが抜けていくんです。
人間には、痛みを逃して心を癒す力があるのです。
たとえあなたが傷つけられても、心をシンプルにして自らを癒せば傷口がふさがります。そうしてやり直すためのときが満ちるのを待ちましょう。
文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子