あんなにうれしかったのに…
どれほど悲しかったことか…
でも、そのときのあなたはいまはもういません。
この前の私をここに出して、と叫んでみても
決して戻らないことを頭では理解しています。
なのに、過ぎ去ってしまったはずの感情を、
しつこくひきずるのはあなたに記憶があるから。
それだけのことです。
じゃあ、あなた自身は?
すでに新しい体験に向かって歩き出しています。
この瞬間、こうして次の動きをしているのがあなたです。
ショックを受けても栄誉を受けても、
その前と変わるのはあなたの記憶が増え続けることくらい。
ステキな思い出も悲しい感情もすべてが瞬時に終わって、
それを記憶した新しいあなたが常に生まれています。
こうした万物の変化を前向きにとらえましょうよ。
過去の感情を道連れにするより、
未知の自分に出会っていくほうが、
はるかに胸躍る生き方だから。
文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子