コップ一杯の水

ジリジリと日差しがきつくなると、
早く秋にならないかなっていう。


そういう人は、たいてい、
冬に、夏を恋しがって、
夏に、冬をしのんで過ごす。


若いときは
早く大人になりたがって、
大人になれば
子どものころにかえりたがるのと
どこか似ている。


それって、なんだかもったいない。


生きているっていうのは、
今、感動があるってことだから。


夏は、夏の暑さを楽しもう。


すると、コップ一杯の水が、
しあわせを運んでくれる。




文 作家・心理カウンセラー宇佐美百合子