時間をさかのぼることはできません。一瞬一瞬ものごとは流れ去り、あなたは新たな経験を積み重ねていきます。
しかし、ある記憶だけか、ときの流れに反してその場にとどまり、あなたの歩みを止めてしまうバアがあるんですね。
わき起こった怒りが恨みつらみの記憶に化けて心に居座ったときです。とっくにおわってしまったことなのに、いつまでも恨みつらみの記憶が被害者意識をあおって心を苦しめます。
許すもんか忘れるもんかというこだわりは、もう捨てませんか?
それは心のかさぶたのようなものだから、ほうっておきましょう。
過ぎ去ったことを蒸し返さないで、移り行くときの流れに沿ってすがすがしく生きていくのがいちばんですよ。頭にきたら、怒りをそのまま心にこびりつかせないように、パーッと発散して記憶を塗り替えてしまいましょう。
文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子