見たことある?
けわしい岩だらけの山あいに、
人知れず咲く一輪の花。
がけっぷちで、
根が半分むき出しになったまま、
必死にたえている一本の木。
さいごの瞬間まで、
天空にむかって
伸びようとするひたむきさと、
純粋でいちずな、
あきらめないいのちが、そこにある。
その姿に目をうばわれて、
あきらめないいのちと、
自分の軟弱さを照らして、はっとする。
自分にも、
この植物と同じに与えられてる
生きるチャンスを、おもう。
大自然はいつもこうして、
語らずして、タマシイの声をきかせる。
文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子