いましかない

昨日の自分を、ここに出そうにも

できない。

明日の自分を、いま見ようにも

かなわない。

わたしがすんでいるのは、

いま、だけだから。

 

ここからのぞく、過去の風景。

…なんだか嘘っぽい。

 

いま、どうおもうかで、

いいことと悪いことが

ころころ、かわる。

 

ないほうがよかった、とおもう場面が

ゆらゆら、ゆれる。

 

もしかしたら…

 

痛かったこころの傷は

自分を育てるためのもので、

必要な体験になって

わたしを助けてくれるのかもしれない。

 

過ぎた時間を

ああだこうだいうのはやめて、

ただ、抱きしめよう。

 

まだおきてもいない未来のことに

不安をかきたてるのはやめて、

いまに、全力をそそごう。

 

 

文 作家心理カウンセラー宇佐美百合子